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December 29, 2001

「木組みの家」25 2階床組み、大黒柱


写真は2階床組に厚板を張ったもので、真ん中の柱が大黒柱です。
大黒柱は、「田の字」の真ん中にくるため、大梁が四方から刺さります。
これを「四方差し」といって、柱の欠き込みが一ヶ所に集中して、柱の断面欠損が大きくなります。
木組みの場合、梁の高さをかえてあるので、四方差しでも一ヶ所あたりの断面欠損が少なくなります。
また、太い柱を使うことで、柱断面の有効面積がより大きくとれます。

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December 28, 2001

「木組みの家」24 2階床組み


図は2階の床組みです。
大黒柱と八本の通し柱をつなぐ横架材に茶色で着色していますが、ここにも「田」の字があらわれています。

「田」の外周の「口」の部分が胴差し(どうさし)で、通し柱間をつないでいます。中の「十」の部分が大梁で大黒柱-通し柱をつないでいます。

この「田」の字がメインのフレームになります。

プランニングはこのメインフレームからスタートします。
つまり、方眼紙に大黒柱と通し柱の位置を最初に書き、それを薄い線で結んで田の字をかきます。それから玄関や居間、台所、浴室などを線で区切って決めていきます。
1階2階とも、この田の字からスタートします。

また、将来、間取りの変更をする際も、この田の字のメインフレーム以外は基本的に柱を抜いたり入れたりできるように、大梁、胴差しとも大きめの材を使っています。

田の字のフレームは構造的に安定していますし、間取りの変更にも対応しやすいので、まさに長寿命の架構といえます。


並んでいる青い梁は、2階の床梁です。半間間隔で大梁の上に「渡りあご」で掛け渡しています。以前に書きましたように、渡りあごで組むことで、変形を押さえます。また、経年による、木材の痩せやたわみにも食い込んで、変形に追従していきます。

この2階の床組みが木組みの家の特徴を一番あらわしています。



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December 27, 2001

「木組みの家」23 敷梁


写真は敷梁を組んでいるところです。
これは、「田」の横に「日」を付け足したプランなので、大黒柱(18cm角)に相当する柱が二本になります。この敷梁は大黒柱-大黒柱間の敷梁です。

敷梁は巾15cm×成27cmのものを使っています。大黒柱の頭を固める背骨のような梁なので、大きめにしています。

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December 26, 2001

「木組みの家」22 小屋梁・軒桁


前回書きましたように、母屋の荷重が束を通して、小屋梁に達します。
図では、小屋梁は一間おきに、5本平行に並んでいます。小屋梁の両端部を上から押えているのが軒桁です。
軒桁は垂木の軒の荷重を受けています。
小屋梁の荷重は、端部は外周の柱で受け、中央部は敷梁で受けています。

図に着色した柱が9本田の字に配されています。その中央が大黒柱で、のこり8本が通し柱です。

ここで、「田の字」が現れてきます。
敷梁は通柱-大黒柱-通柱と三本の頭をつないでいます。軒桁はそれぞれ通柱三本の頭を小屋梁を介してつないでいます。それに直交して、真ん中の小屋梁が通柱-大黒柱-通柱をつなぎ、一番外側の小屋梁二本がそれぞれ通柱三本をつないでいます。
このように、大黒柱と八本の通し柱を桁・梁でつないで、「田の字」が構成されるわけです。

このように、屋根の重みを伝えていき、1階~2階を通す柱の頭を固めることで、建物全体が締まります。
この桁から下が「軸組」と呼ばれ、メインの構造体になります。


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December 25, 2001

「木組みの家」21 小屋組


図の着色した部分は小屋組みで、これが屋根の形をつくります。
一番上に横たわっているのが棟木(むなぎ)。それより下方に横たわっているのが母屋(もや)です。垂木がこの上に掛け渡されます。
垂木の荷重を棟木・母屋が受け、その下に建っているのが棟束、小屋束で、それらが棟木・母屋の荷重を小屋梁へ伝えます。

木組みの家では、この小屋組みを意匠として見せていますが、ダイナミックで面白い空間になります。

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December 24, 2001

「木組みの家」20 垂木(たるき)

この架構は「木組みの家」のモデルプランのものです。
大黒柱を中心にした「田の字」の架構になっています。

一番上の着色した材が垂木です。
ここでは、10.5cm角(三寸五分)を96cm間隔で入れています。柱につかうような太い材にして、間隔を粗くすることで、力強い感じを出しています。
また、垂木から、桁梁、小屋梁を貫通して、柱までをボルトで繋ぎ、小屋組みと軸組みをしっかりと固定しています。

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December 21, 2001

「木組みの家」19 木組み


木組みの特徴として、上から下への自然な力の流れがあります。各部材に主従関係があり、屋根の重みや自重により、架構が締まるように組んでいます。このような架構を「総持ち」といいます。

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December 20, 2001

「木組みの家」18 日照

木組みの家では、南側全面にベランダとそれを覆う軒があります。また、ベランダの下はデッキを張っています。
図は、この土地の緯度にもとづいて計算した南中時の日射を示しています。
このように、冬場は部屋の奥まで日射が届き、夏場は直射日光が入らないようにしています。
間の時期は、ベランダやデッキに反射した間接光が室内を照らします。
冬場の直射日光も生垣やベランダの手摺で一部遮られています。
建物内への直射日光は、冬場でもかなりまぶしいので、なるべく間接光を取り込んだ方が居心地がいいと思います。木製デッキの反射光もかなり明るいですから、現在お住まいのお宅を明るくしたい場合でも工夫次第で部屋を明るくすることができます。
また、出窓でも同様の効果があり、出窓の板の部分からの反射光で部屋が明るくなります。

(参考)南中高度
夏至 90°-(緯度-23.4°)
冬至 90°-(緯度+23.4°)


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December 19, 2001

伝統的構法

建築知識スーパームック 地震に強い「木造住宅」の設計マニュアル
という本があります。

1996年1月21日発行で、阪神淡路大震災のほぼ一年後にあたります。新耐震設計基準に基づいた、木造の構造設計法、ホゾ、仕口の構造的な意味、大都市の地質図、阪神淡路大震災での損害状況等、非常に充実した内容です。
特に伝統的工法の耐震について、1/4くらいのページを使って解説されており、とても参考になります。

木組みの家の解説と平行して、こちらの内容の一部も紹介していきたいと思います。

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December 14, 2001

「木組みの家」17 梁あらわし


前回の真壁の話につづいて、天井高について。
通常、2階床梁、小屋梁の下には天井が張られています。天井裏は通常「ふところ」と呼ばれ、配線や配管、断熱材等が入っています。このスペースは無駄なようですが、断熱や遮音の役割があります。
図左の1階の天井と2階床の間がふところですが、2階の物音をあまり階下に響かせないような役割があります。また、給排水配管や電気配線が自由にできます。

図右は木組みの家です。図のように、天井は梁の上に張られています。
デザインとして梁を見せることで、左図と同じ2.7mの階高で、30cmくらい天井を高く取れます。逆にいうと、階高をその分低くすることができるので、柱を短くでき、壁面積も小さくなります。建物全体も低く出来るので、外観のバランスが良くなります。
天井には3cmの厚板を使っていますが、これは梁に直接釘打ちしていますので、床面の水平剛性を高めます(剛床)。つまり天井が意匠と構造を兼ねているのでより合理的な使い方といえます。
この厚板の上に根太を転がして、その上に2階の床(厚1.5cm)を貼っています。
配線等は根太の間を通します。ですから配線計画は綿密にやっておかないといけません。
1.5cmの床板+根太4.5cm+3.0cmの天井板で遮音性はある程度確保できますが、すべて直に打っているので、床に物を落としたときの衝撃音などは響いてしまいます。
プランニングの際に2階と1階の生活時間帯や使用頻度等を検討して、うまくずらせば、比較的、音が気にならないのではないかと思います。

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December 13, 2001

「木組みの家」16 四国九州間 真壁


木組みの家では、水まわりの一部を除いて、すべて真壁仕上げにしています。また、一間(いっけん)=1.92mの四国九州間(正確な呼称かどうかは知りません。)を採用しています。
現在、ごく一般的な木造住宅は関東間(一間=1.82m)の大壁仕上だと思います。
新建材はほとんど、1.82×0.91mのモジュールがベースになっていますので、関東間を採用されることが多いと思いますが、木材は3m、4mといったメートルサイズになっていますので、一間が1.82mでも1.92mでも2mの材料を使います。ですから木組みの家のように新建材をほとんど使わないつくりでは、四国九州間を採用することで、同じ材量でより広くすることが出来ます。
廊下で比較しますと、
図上は関東間の大壁で三寸五分(105mm)の柱に胴縁(15)+石膏ボード(12.5)をはったもの。
図下は四国九州間で四寸(120)の柱から、15mm下がったところに壁をはったものです。
上が910-105-15×2-12.5×2=750
下が960-120+15×2=870で
870-750=120となり、12cmの違いが出てきます。

これを六畳の部屋で考えると

関東間  -大壁 (2.73-0.16)×(3.64-0.16)= 8.94
四国九州間-真壁 (2.88-0.09)×(3.84-0.09)=10.46

となり、1.52㎡の差が生じます。
面積が大きくなった分、その他の資材は多くいりますし、コストの単純な比較はできませんが、同じ木材量でより広く使うことができるということです。

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December 11, 2001

「木組みの家」15 わたりあご2


写真は棟上の時のものです。大黒柱と大黒柱を結ぶ大梁に2階の床梁を掛け渡しているところです。大梁は天端が欠き込まれ、床梁は下端が書き込まれています。
これは簡単に嵌まるものではなく、大きな木づち(かけや)で力いっぱい叩かないとはいらないように刻まれています。
このように木組みは、木材同士がめり込んでその弾力性により、しっかりとかみ合います。ですから、棟が上がった直後、まだ筋交いを取り付けてない時点でも、まっすぐ建ち、全然揺れが生じません。
でも、このように材を刻むことは、プレカットではできません。棟梁ひとりで、木材に墨付け(加工する形に線を引くこと)をして、刻む(加工すること。)のですが、ピタッとゆるみなく精緻に材料を刻む技術がなければ成り立たない工法です。



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December 10, 2001

「木組みの家」14 わたりあご


(設計室メモのバックログが消えてしまいました。現在調査中ですが、復旧できなければ再度書き直しますので、しばらくお待ちください。)

現在の「一般的な」在来工法と木組みとの一番の違いは、直交する梁天の高さがちがうということです。

左図のように、梁天の高さがおなじであると、交差しないので、一方の梁はもう一方の梁の横面に「ありほぞ」で継ぐことになります。ありほぞは構造的にはほとんど機能しておらず、これにボルトで補強し、さらに火打ち梁(斜めの梁)や構造用合板を上から貼って変形をおさえなければ固まりません。

右図のように梁天の高さを変えて、材を交差させ、交差部分をお互いに欠き込んでかみ合わせた状態を「わたりあご」といいます。
この組みかただと、木のもつ粘りによって、変形に対抗し、大きな力がかかったときも、木の「めり込み」で力を吸収します。めり込みによって、ある程度変形したら、それ以上変形が進行しません。
これに、厚板を上から貼ることでさらに強固にします。



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